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もし金融機関に融資を断られたら、必ず理由を聞いてください

もし金融機関に融資を断られたら、必ず理由を聞いてください

こんにちは。

融資に強い専門家、法人営業特化型コンサルタント

トップギヤコンサルティングの沼尻洋壱です。

また都内では緊急事態宣言が発令されまして、また居酒屋などでアルコールが出せない事態になりました。居酒屋の営業を控えさせるのと感染者が減ることの因果関係がイマイチよく分らないのですが、いずれにしてもこんな異常事態は早く解消してほしいものです。

そんな中、今回のコロナ禍で金融機関から融資を受けた事業者も多いと思います。
この新型コロナウイルス関連融資は比較的、審査が甘い・緩いと言われています。
2020年の事例を見ると、今までなら貸してもらえなかったような企業(大幅な債務超過先、リスケ先等)が、次々と融資に成功していました。

しかし近ごろは審査のハードルが上がったようで、「断られた」話も耳にするようになってきました。

もし融資を断られた場合大切なのは、なぜ融資を断られたかを金融機関に尋ねることです。なぜなら、次の対策が打ちやすくなるからです。

1、融資の可否を決める要因について

融資の申請が通るかどうかは、下記のような数多くの要因が絡んできます。
「経営体質」「金融機関との関係性」「借入総額」「担保の有無」「金融機関の融資方針」「支店長の支店運営方針」「担当者の能力」等々
申請した金融機関で断られても、他で借りられる可能性があります。
それを考慮した上で、断られた際にはかならず「謝絶理由(断られた理由)を具体的に」聞いておきましょう。

2、断られた理由を聞いて改善点をクリアしよう

断られた理由が早期に改善できる内容なら、それを改善することで再び同じ金融機関に対して依頼することができます。
他の金融機関に依頼する場合でも、謝絶された理由を改善できていなければ同じ理由で断られる可能性があります。
断られた理由を聞いて何が問題だったのかを把握しておかないと、それを改善できません。改善できなければ何度申し込んでも断られてしまいます。
まずは謝絶理由を具体的に尋ね、それを改善することが大切です。

3、金融機関には謝絶理由を伝える義務がある

一般的にはあまり知られていませんが、金融機関には「融資を謝絶した場合、具体的にその理由を伝えなければならない義務」があります。
金融庁は金融機関に対して、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」に基づいた監督・指導をしています。
この「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の74ページに以下の文言があります。

「②顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合
これまでの取引関係や、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的に応じ、可能な範囲で、謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているか。」

よって、金融機関に対して融資を断られた場合にその理由を聞いたとき、具体的な謝絶理由を教えてもらえない場合は、以下のように言ってみましょう。

「金融庁の監督指針の中に謝絶理由を答える義務があると書いていますが…?」
もしこれでも教えてもらえなければ、次にこう言いましょう。

「では金融庁に、○○銀行では融資を断られた理由を尋ねても教えてくれなかったがどうしたら良いのか、問い合わせてみます」

自分の頭越しに金融庁と顧客が話すと後の対応が面倒なので(金融庁から金融機関に連絡が来る)、ここまで言えばかなり高い確率で詳しく説明してくれると思います。
ただし、若手の渉外担当者に言っても、そもそもが「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」自体を知らない可能性があるので、話をするのであれば貸付担当役席以上の方とするほうが良いでしょう。

参考資料:「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」PDF

この「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」は約400ページもある資料となりますが、こちらの
Ⅱ 銀行監督上の評価項目
Ⅱ-3 業務の適切性
Ⅱ-3-2 利用者保護等
Ⅱ-3-2-1与信取引等に関する顧客への説明態勢
Ⅱ-3-2-1-2 主な着眼点
の項目の
(5)取引関係の見直し等の場合の対応
② 顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合(74ページ)
に、今回案内した記載があります。

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