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事業再構築補助金で新規事業を始める場合「つなぎ融資」を借りられるかがポイントです

事業再構築補助金で新規事業を始める場合「つなぎ融資」を借りられるかがポイントです

2023年1月16日に事業再構築補助金の第9回公募が開始され、先日の3月24日に締切となりました。

この事業再構築補助金では、採択結果発表から少し経つと、この事業再構築補助金で採択されたという事業者や、それら事業者を支援している同業のコンサルタントなどから、ある相談が寄せられることがあります。

(事業者から)
事業再構築補助金採択後に金融機関がつなぎ融資を断ってきて、補助事業が実施できない

(事業者を支援しているコンサルタントから)
支援先から「事業再構築補助金のつなぎ融資が借りられないので成功報酬が支払えない」と言われた

これらの相談から見えてくる問題は、「つなぎ融資」の可否です。

1、事業再構築補助金と融資は相性が悪い

以前から当ブログでは「事業再構築補助金と融資は相性が悪い」とお伝えしてきました。

理由や背景については、過去のブログ記事をご覧ください。
(下にリンクあります)

このように、もともと借りにくい性質のものではあります。
ちなみに補助金は、「先に自前の資金で補助事業を行う→事業が終わって補助額確定→補助金請求」という流れです。
つまり、自前の資金でまかなえないなら、資金を一旦用意するのに融資が頼みの綱となります。

●事業再構築補助金の補助事業で融資が成功する事業者に必要な5つの要件

2、補助金を申請する事業者のタイプ

補助金申請する事業者の目的は、
「補助金を利用して新たな取り組みを行い、売上や収益を増加させること」
でしょう。

しかしながら、より詳しくお話を聞くと
「この補助金がなくても新たな取り組みを行う」
という強い意志を持った事業者もいれば、
「補助金がもらえるなら新たな取り組みを行ってみよう」
という軽い気持ちの事業者もいます。

前者は補助金をもらえなくても、また多少の困難があっても、意志の力でやり通そうとするでしょう。
最終的に事業計画の実現が期待できます。

一方、後者だと覚悟が固まっていないことが多いように見受けられます。
そうなると、困難が生じると最後までやり通すかどうか疑問が残ります。

と、ここまでは意志の問題です。

しかし、いくら強い意志をもって取り組もうという事業者であっても、その問題以上に事業計画をやり通せるかどうかのいちばんの問題は、やはり上記のとおり、「つなぎ融資を得られるかどうか」です。
(上記の「軽い気持ちの事業者」はそもそもが補助金申請自体を止めた方が良いのではないかと思います)

3、事業者はつなぎ融資を受けられるか?

事業再構築補助金に採択されてもつなぎ融資を借りられなければ、ほとんどの事業者はその事業を実施できないのではないかと思います。
わたしも仕事柄、色々な事業者さんから相談を受けますが、例えば事業再構築補助金のような大きな金額を必要とする新規事業を行う場合などは、やはりつなぎ融資を検討していることが多いです。

そこで、事業再構築補助金の申請を考える時には、まず「つなぎ融資を借りることができるかどうか」を確認したいです。
わたしの場合は、事業再構築補助金を使って新規事業を考えている、という事業者さんと話をする際は、この点を必ず確認しています。

これは、事業計画を実施できる事業者かどうか判断するためのポイントとなります。

つまり、事業再構築補助金を利用して新規事業に取り組むことが出来るのかどうか、その判断はつなぎ融資を借りられるかどうかの判断となるわけです。

事業再構築補助金を使って新規事業に取り組むことが出来るか、つなぎ融資を受けることが出来るか、といった点で確認している点は、
・その企業の財務内容
・ビジネスモデル
・社長の性格や考え方・人間性
・現在保有しているリソース
・周りの支援体制
等々です。

4、「つなぎ融資」を認めてもらえない事業者の状況×4

以下の4点すべてに該当する事業者は、つなぎ融資はまず借りることができません。
①、懇意にしている金融機関がない
②、補助金以外の自己負担分まで借りようとしている
 ※補助割合が2/3の場合、残りの1/3も借りようとしている
③、大幅な債務超過
④、「この事業は成功する」と言う社長の自信を裏打ちできる根拠がない

ちなみに事業者より事業再構築補助金の相談を受けた場合も、まずは資金面を確認するのですが、上記すべてに該当する事業者ですとつなぎ融資を借りることはほぼ無理かと判断しますので、事業再構築補助金を使った新規事業の立ち上げも無理だと思われます。

ちなみに、相談を受けてお話を聞いた結果、
「思いは強くても、つなぎ融資が借りられない等の原因で事業計画を実現できない」
と判断できたら、はっきりその旨を伝えて引き留めるのが誠意ある対応だと私は考えます。

5、補助金申請サポートでの私の考え方

当社では、補助金申請を考えている事業者から、申請に関するサポートを依頼されて、申請などお手伝いすることも多いです。
その申請サポートをする場合は、ただ申請して採択されて終わりではなく、その事業が実現し、補助金を請求し、着金するところまで継続してサポートをしています。

もちろんこれは私の考え方・スタンスであり、他のコンサルタントに同様の考えを強要するつもりはありませんが、ただ補助金を申請して採択されるためだけのサポートではなく、上記のように最後までサポートしていくべきだと私は考えます。

申請した時点で終わり/採択されたら終わり、では、企業の成長の道半ばで手を離してしまうのと同じだからです。
また補助事業完了後の「実績報告」→「補助額確定」→「補助金請求」の手続きは、相当に骨が折れます。

コンサルタント等に補助金申請のサポートを依頼するのであれば、最後の補助金の着金まで親身に伴走してくれるところに依頼したほうが良いでしょう。

6、金融機関に対する見極めについて

ところで、つなぎ融資を借りられるかどうかは考えなければいけませんが、同時につなぎ融資を「貸してくれる金融機関」かどうかの見極めも重要です。

一度は「支援します」と言ってくれた金融機関が、いざとなったら「やっぱりつなぎ融資は出せません」と断ってくると、その時点で事業計画は詰んでしまいます。
また、そんな金融機関にアプローチしてきた時間も無駄になります。

そうならないように、事前に金融機関と相談、調整をしておきながら、金融機関ごとに違う「融資のスタンス(取組方針)」をつかんでおきたいところです。

なお、事業再構築補助金の場合は、任意の認定経営革新等支援機関より「認定支援機関確認書」という書面を発行してもらう必要があります。
信用金庫等の金融機関は、大概が認定経営革新等支援機関に登録していますので、この確認書を金融機関より発行してもらいながら、同時に融資に関する相談にも乗ってもらうというのをおススメしています。

この金融機関から発行された確認書の最後の「支援内容」の部分を確認すると、その新規事業に対する金融機関の融資のスタンスも見えてきたりします。

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つなぎ融資を始めとして、大きな金額の補助金を使って事業を行う場合は、金融機関とのつながりが必要になることが多いです。
その点も踏まえて、事業計画を立てましょう。

当社では補助金申請について申請書作成やその後のフォロー等のサポートをしています。
相談初回1時間無料でお話を伺いますので、ご不明な点やご相談がございましたら当社のWebサイトお問い合わせページよりお問い合わせください。


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