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事業再構築補助金の事業計画書 ココが足りてません!

事業再構築補助金の事業計画書 ココが足りてません!

皆さんこんにちは。
経営110番、社外の経営参謀
トップギヤコンサルティングの沼尻洋壱です。

自社の現状を見直しして新たなビジネスに挑戦しようという事業者にとって強い味方である「事業再構築補助金」ですが、こちらの第4回の公募が開始しました。
申請の受け付けは11月中旬から始まり、申請締め切りは12月21日を予定しているとのことです。

補助金額も大きく、また新たな事業に取り組む事業者さんにとっては事業計画を精緻に考える良いきっかけにもなりますので、ぜひトライしてみていただきたいところです。

さて、この事業再構築補助金ですが、他の補助金と同様に、申請する場合はしっかりした事業計画書を作成し、審査員に評価してもらう必要があります。
その事業計画書ですが、私は仕事柄、ここまで数十通以上の事業計画書を拝見してまいりました。

「どのあたりを直したら良いですか?」と意見を求められて、審査員受けが良いように修正箇所をご指摘させていただくわけですが、その際に多くの事業計画書で共通する、記載が足りていない修正ポイントがありますので、今回はそちらをご紹介します。

これらのポイントを押さえて、審査員より多くの加点をもらえるようにしていきましょう。

1、新型コロナウイルス感染症の影響について

この事業再構築補助金は、コロナの影響により売上等に被害が出ているということが前提になっています。
公募要領での事業の目的の部分で、
「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しがたい中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために・・・思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業を支援する・・・」
とあります。
ようするに、コロナの影響で被害を受けており、それに対抗するために思い切った事業再構築をする、という内容である必要があり、コロナの影響を受けていないとダメだということです。

ところが、このコロナの影響に関する記載が不足している計画書がとても多いです。
売上高減少要件を満たしていることは大前提ですが、その単月で見て売上が減っているとかではなく、企業全体で見てコロナの影響を受けて売上高などが落ちているということを説明しないといけません。

ちなみに公募要領34ページ「審査項目・加点項目」の(3)再構築点、②にて
「既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。」
とあります。

コロナの影響によりどのように売り上げに影響しているのか、どのような被害が出ているのかがきちんと説明できないと、この再構築点の③の部分で加点が見込めないということになります。

このコロナの影響については、飲食店や旅行業界などですとコロナの影響で客数が減っているという話で分かりやすいです。
しかしながら、例えば製造業などで
「コロナの影響で受注が減っている」と簡単すぎる説明しか記載していない計画書がかなり多いです。
これではなぜ受注が減ったのか分かりません。

例えば建設資材を製造しているメーカーだとすると、
「コロナの影響で建設現場の工事が停滞し、それに伴い当社の資材の受注量も減少した」
等々、コロナの影響で何が起きて、どのような経緯で売上に影響が出たのかと記載するようにしましょう。

2、資金調達について

事業再構築補助金では設備を購入したり、建物を改修したりと、大きな金額の必要な事業再構築を計画される事業者がとても多いです。
当然、手持ちの現預金では足りず、多くの事業者が金融機関などからの借入を想定しています。

この借入金などの資金調達について、詳細の記載がされていない計画書がとても多いです。
計画書でも「金融機関からの借入を予定している」など、簡単な記載にとどまっています。

これでは記載が不足しています。

公募要領34ページ「審査項目・加点項目」の(2)事業化点、①では
「金融機関等からの十分な資金調達が見込めるか。」
と聞かれています。
当然のことながら、資金調達先として金融機関からの借入を行うことは問題ありません。
問題なのは、それを予定している程度の話ではなく、事前に金融機関と調整しておくことで借り入れを見込める状態にしておく必要があるということです。

そして計画書には、○○信用金庫 ●●支店 担当××様と担当者まで記載して、事前に話がついていることをアピールしましょう。

また、認定支援機関による確認書で金融機関から確認書の書類をもらう場合や、補助金額3000万円以上の計画で、金融機関による確認書を添付する場合に、その確認書の裏面の支援内容の部分に、「資金面でも支援する」旨を記載してもらうようにしましょう。

このくらいの記載が無く、金融機関からの借入を予定している程度の記載だと、「金融機関等からの十分な資金調達が見込める」と審査員に判断してもらえず、この項目での加点が見込めません。

3、建物の詳細説明について

事業再構築補助金では、建物の新築する、または改修工事をするという計画がかなり多いです。
これらは金額も大きく、新築では3000万円、改修でも1000万円程度の計画は珍しくありません。

しかしながら、計画書内でこれらの計画があると記載があるのに、どのような建物を建てるのか、またはどのような改修工事を行うのか、その詳細説明が全くない計画書がとても多いです。

公募要領29ページ、1:補助事業の具体的な取組内容の①の最後に
「※必要に応じて、図表や写真等を用いて、具体的に記載してください」
とあります。

基本的には、補助金で設備を購入したりする場合、何をいくらで購入するのか具体的に記載して、審査員に対しかかる費用の妥当性を説明しないと審査員も了解しません。
ましてや建物の新築や改修工事となると、その金額も設備購入に比べてより大きな費用となります。
それにも関わらず、設備の説明はきちんとされているのに、こと建物についてとなると全く説明が無い計画書が意外と多いのです。

建物の新築、または改修工事等行う場合は、最低限でも見取り図などの添付を行いましょう。
店舗などの場合、その見取り図内に家具等の配置も行い、配置図としても分かるようにしておくとなお良いでしょう。

補助金を貰おうと思ったら、その費用についての詳細説明が無いと、審査する審査員も補助金を出してよいものか、金額の妥当性があるのか、判断出来ずにこの点においての加点が見込めません。

4、付加価値額の算出根拠について

事業再構築補助金では付加価値額要件として付加価値額が年率3%以上増加する計画を立てる必要があります。
その付加価値額は、営業利益+人件費+減価償却費で算出します。

ここで、公募要領30ページの4:収益計画において、
②収益計画(表)における「付加価値額」の算出については、算出根拠を記載してください。
とあります。
営業利益+人件費+減価償却費で算出されるので、営業利益、人件費、減価償却費についてそれぞれなぜそのような数値になるのかの説明を入れないといけないということです。

しかしながら、この算出根拠についての詳細説明が無い計画書が多いです。

人件費では、新規事業のために新たに採用を行うのか、既存社員を配置して企業全体での人件費は変わらないのか。
減価償却費については、新規で購入する設備の償却が何年で、毎年の減価償却費はいくらになるのか。
営業利益では、その算出のための販管費について、既存事業と新規事業の販管費をそれぞれ算出して明記しなければ、営業利益の算出に妥当性が出ません。
また、営業利益は売上高から降りてきますので、売上高の算出にもある程度根拠が無いと、その先の営業利益も妥当性が無いという判断をされる可能性もあります。
よって、売上高についても単なる希望や目標を書くのではなく、算出根拠と共に計画性のある見込みを立てる必要があるということです。

付加価値額を求める場合は、関連した数値の算出根拠までしっかりと記載しましょう。


事業再構築補助金に限らず、補助金は事業計画書を作成し、その計画書を審査員が審査して評価します。
その評価は、審査員の気分で行うのではなく、明確な評価基準があり、その基準に則っているかどうかで加点、減点をしているはずです。
そうでなければ、評価した人により点数がバラつくことになり、それでは評価になりません。

その評価基準の元となるのか公募要領です。
公募要領の中には、審査員が加点をする上でのポイントの記載が多く見られます。
審査員が期待する内容は何か、を考えながら計画書を作成しましょう。

このブログの内容は動画でも解説しております。
下記リンクから参照動画もご確認ください。

当方では補助金申請のための事業計画書作成のサポートをしています。
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事業再構築補助金の事業計画書 ココが足りてません!! その①

事業再構築補助金の事業計画書 ココが足りてません!! その②

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