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金融機関における「ハズレ」の担当者の見分け方

金融機関における「ハズレ」の担当者の見分け方

先日、知人のコンサルタントから、自社のクライアント先企業が資金繰りに困って金融機関に相談したら、既に融資枠いっぱいまで借入していたため、金融機関の担当者が事業性ローンの申込用紙を持ってきた、という話を聞きました。

この事業性ローンは、資金使途の縛りなく自由に使える資金として借りられて、一見便利そうですが非常に高金利で、いわば消費者金融のようなイメージのお金です。
よって、金融機関がそれ以上貸せないという時にしれっと提案してきたりしますが、これはあまりおススメ出来ません。

担当者としては、貸したという実績も出来て行内の評価も上がるので使いたいのでしょうか、これを勧めてくるのは単に担当者が自分のポイント稼ぎをしているようにも見えます。

これは極端な例ですが、金融機関の担当者には色々な人間がいて、当たりハズレもあります。そんな色々な担当者がいる状況で、こちらでは担当者は選べませんが、対処方法はあります。

実際に私も、中小企業の経営者から融資に関する相談に乗っているときによく出るのが、「担当者に関する話」です。
担当者の善し悪しで、融資への影響は大きく変わります。

今回は、つきあうだけ無駄な担当者についてお伝えします。

1、ノルマをこなすことに一生懸命な担当者

多くの金融機関は、渉外担当者に対して、過酷なノルマを課しています。
預金や融資に限らず、保険や投資信託、カードローン、住宅ローンなどなど、絶えずノルマに追われています。
そのノルマをこなせなければ、評価が悪くなり出世の道を閉ざされてしまうからです。

このタイプは、「自分のノルマ」だけが重要で、「顧客のメリット」を考えていません。
協力してあげても、「お返し」がないので、協力するだけ損になります。

2、月末近くにしか訪問してこない担当者

これも、先の「ノルマをこなすことに一生懸命な担当者」に共通するかもしれません。

普段は、ほとんど顔を出さないのに、月末近くになると、
「月末までに、100万円だけ投資信託お願いできませんか。数字が足らないのです」
とお願いしてくる担当者。

「ノルマに追われて気の毒だな」
と同情して、協力してあげると、その後、月末毎に
「助けてください」
と頼んで来ます。
「月末は忙しいから」
と断っても、懲りずに月末訪問を繰り返します。

私のクライアントに出入りしている、某金融機関の担当者もこのタイプで、結局月末に頻繁に訪問されることに辟易した社長から「出入り禁止」を命じられていました。

3、信用保証協会の保証つき融資を積極的に勧めてくる担当者

金融機関によっては、いまだに「保証協会の保証付き融資」を積極的に推進しているところがあります。

金融機関にとっては、「保証協会の保証付き融資」はリスクの少ない融資です。
事業者側から見ても、「保証協会の保証付き融資」の枠が空いている場合は、事業を行う上で困ったことが起きた際に比較的容易に借入することが出来ます。
よって、本当に困った時に使うためにその枠は空けておいて、普段はなるべく「プロパー融資」を活用すべきなのです。

ところが担当者が「借りてほしい」と頼み込んでくる際は、まず提案してくるのは「保証協会の保証付き融資」だったりします。
こういう金融機関、担当者は、「自分たちの都合しか考えていない金融機関」と言えるので、このままつきあっていてもメリットがありません。

本当に、顧客のことを考えている担当者は、「プロパー融資」の利用を勧めてくれます。

ちなみに、もしこのように「保証協会の保証付き融資」を提案してくる担当者に当たった場合は、「プロパー融資ならば借りるけど」と提案してみてください。
これで「プロパー融資」で動いてくれた場合は、借りられるときに借りておくのも良い判断だと思います。

4、レスポンスが遅い担当者

プロパー融資の場合、融資依頼してから遅くとも1ヶ月程度で融資の可否が決まります。

優秀な担当者であれば、
融資依頼➡ヒアリング➡稟議書作成➡追加資料徴求・再ヒアリング➡融資決定
というスキームを2週間程度で終わらせます。

ところが「融資依頼」をした後に、「ヒアリング」を行うのが1週間後という担当者もいます。
このように、レスポンスの遅い担当者に限って、作成する稟議書の内容が悪いため、融資が通らない可能性が高くなります。

ひどい担当者になると、顧客から融資依頼があったにもかかわらず、上司に報告もせず、稟議書も作成せずに、融資を断るということもあるようです。

5、「つきあうだけ無駄」な担当者に当たったら

これらの担当者に当たった場合、その金融機関からの支援は期待できないものと思います。
しかし、「担当者を交代させて」と頼んでも、その担当者が大きな失敗をして顧客を激怒させたということでもない限り、交代させてくれません。

「この担当者と付き合ってもダメだ」
と思った時の対処法は2つあります。

ひとつは、「今の金融機関を見限って、別の金融機関との取引の比重を高める」ことです。
別の金融機関の担当者が優秀な担当者であれば、そちらに取引の比重を高めることで、金融機関との取引は円滑に進むようになります。

もうひとつは、「担当者の上司(渉外担当役席や貸付担当役席)とのパイプを強固にする」ことです。
担当者がダメでも、重要なことについてその上司と直接話をすることができれば不便はなくなります。
逆に、意思決定スピードが早くなるため、今までより良いサービスを提供してもらえるようになるかもしれません。

「はずれ」の担当者とつきあっていても、良いことはひとつもありません。
「この担当者、はずれだな」と感じたら、速やかに対処されることをお勧めします。

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金融機関の担当者は、おおむね2~3年周期で交代します。
つまり、優秀な担当者に当たった場合は、2~3年は融資については安泰ということです。

逆に、そうでない担当者に当たった場合は、2~3年は融資に苦しむことになります。
担当者の善し悪しについては、事業者側でコントロールできません。

ですので、優秀でない担当者に当たった場合は、対応策を考えておく必要があります。

当社では、ドンブリ経営から脱却して利益が増える骨太の経営体質に変える経営サポートをしており、併せて金融機関との上手い付き合い方のアドバイスや、資金調達のサポートもしています。

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