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金融機関タイプ別・融資を借りやすくする申請タイミング

金融機関タイプ別・融資を借りやすくする申請タイミング

先日、知人の金融機関OBの人から、同じ内容の融資案件でも通りやすい時期と通りにくい時期があるという話を聞きました。
難しそうな融資案件も、タイミングをずらすことで申請が通ることがあるそうです。

どのようなタイミングが融資を通すのに有利なのか、はたまた不利なのか、そのあたりをご案内してみようかと思います。

1、なぜタイミングを選べば融資が通りやすくなるのか

多くの民間金融機関の本部は、各支店に対する「業績評価」を行っています。
「業績評価」のポイントは、「預金」「融資」「預かり資産(投資信託・保険・国債等)」「財形貯蓄」「顧客満足度」など、金融機関によってさまざまです。

これらの項目に対して、支店は「目標数値」を決めます。
その数値を達成しないと、支店の評価は当然ダウン。
支店の評価が下がると自らの昇進に影響が出るので、支店長はなんとしてでも達成しようと努めます。
(このようなところをネタにしたドラマとかありましたね)

上記の評価項目は金融機関によって微妙に違っていますが、共通点があります。
それは「融資」です。
どの金融機関でも、「融資」は「重要評価項目」になっています。

もちろん各支店にとって、重要評価項目=融資の目標数値は必達です。
あと少しだけ目標数値に足りない時期は、特になりふり構わず数字アップに全力を尽くします。
そのタイミングで融資申請を行うと、多少難しい案件でも「とりあえずGO!」のサインが出ることが少なくないのです。

2、民間金融機関で融資が通りやすいタイミング

「業績評価」は一般的な企業と同様に「上期(4月~9月)」「下期(10月~3月)」の年2回です。
その締めとなる「3月」と「9月」の数字が重要ですから、3月と9月の金融機関の担当者は、数字を上げるために猛進します。
ですので、この3月と9月がポイントとなります。

しかしながら、だからといって3月や9月に融資案件を持ち込めばよいかというと、そういうわけではありません。
なぜなら融資は申し込んでから実行されるまで、通常1ヶ月程度はかかるからです。
つまり3月や9月の申し込みでは、間に合わない可能性があります。
担当者は色々と案件を引っ張ってきますので、ただでさえ融資案件が集中する時期です。
そのため、当月の申請は控えたいところです。

では、いつが適切なのか。
融資が通りやすいタイミングが「3月・9月」であることには間違いないのですが、融資を申請すべきタイミングは、その直前の2月と8月です。
2月・8月の申し込み→3月・9月の、できればそれぞれ早いタイミング(上旬が理想的)で融資が実行できる案件に、担当者はたいへん力を入れてくれます。

3、もし融資実行が3月・9月に間に合わなければ

3月や9月中に融資の実行が出来なければ、間に合わない融資案件は翌月の4月・10月の審査に回されます。
そうなると、それは次期の業績にしかならず、当期の業績評価に数字が反映されないため、「何としてでも本件の融資を実行!」という意欲は低下します。

そのため、期末の時期に手のかかる難しい案件を、今この時期にあえて通そうとはしないでしょう。

4、公庫や信用保証協会の保証つき融資が通りやすいタイミング

民間金融機関とは違い、日本政策金融公庫や信用保証協会には「業績評価」はありません。
そのため、3月や9月など毎年決まった時期に業績アップを求められることはないのです。

しかしながら、それでも借りやすいタイミングはあります。
それは、「新しい融資制度や信用保証制度が導入されてすぐの2週間程度」です。

新しい融資制度・信用保証制度には、そのときの政府の意向が汲まれています。
中小企業が借りやすい内容になっていることが多いのですが、導入初期は制度が浸透していないため、申請件数はあまり伸びません。

一方、公庫や信用保証協会にとっても、業績評価がないとはいえスタートダッシュの数字は重要で、それが政府肝いりの制度ですからなおさらです。
そこで制度が始まったばかりのころは特に、「数字を積みたい」「この案件を通したい」という意志が働くのです。
さらに初期のうちは「審査の判断方針が細かく定まっていない」こともあり、可決されやすかったり、審査結果の連絡が早かったりします。

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今回は、知人の金融機関OBから聞いた、融資を借りやすくなるタイミングについてまとめました。
このように民間金融機関にせよ、公庫や保証協会の制度融資にせよ、申請のタイミングによって通りやすさが変わることがあります。

もしこれを読んだ事業者が求める融資がいわゆる「難件」なら、タイミングを見計らった申請を提案してみてください。
時期をずらすことで可決の確率が上がることもあります。
記事に記載の通り、融資申請のタイミングをずらしたり、ちょっとした資料を追加提出したりすることで、普通なら通りにくい融資案件が可決されることもあります。

事業者にとって融資が通る・通らないは、事業継続の重要ポイントです。
難しい融資案件になればなるほど、確実に借りたいところです。

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