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商品の価値は伝えなければ伝わらない

商品の価値は伝えなければ伝わらない

こんにちは
事業加速化コンサルタント
社外の経営参謀
トップギヤコンサルティングの沼尻洋壱です。

よく、うちの商品は凄く良いのだけど思ったほど売れない、とおっしゃる社長にお会いします。
「一度使ってもらえたら、この良さが分かるのになぁ」と。
これはサービスにも同じことが言えて、サービスの内容はとても良いのに思ったほどお客さんがいないというお悩みをお聞きします。

こちらをご覧の皆様は、自社の商品、サービスは想定通りに売れていますでしょうか。
モノ造りやサービスを提供することは得意でも、それを売るという行為に対してはあんまり得意じゃないという方は結構いらっしゃる。

ここで考えなければいけないのは、やはりどんなに価値のある商品、価値のあるサービス、お客さんに求められている物であっても、その物の良さ、その商品の価値がお客さんに伝わらなかったら、やはりなかなか買ってもらえないということです。

1、松下幸之助のマーケティング

現在のパナソニック、まだブランド名がナショナルと言われた時代の話で、当時の社長である松下幸之助についてのお話です。
この松下幸之助は、言わずもがなパナソニック(創業時:松下電気器具製作所)の創業者ですが、当時からマーケティングについての重要性を理解されていた方としても有名でした。

つまり、製品は良いものを作っていますが、それだけでなくその売り方も非常に重視してた方なのです。
いくら良いものを作っていても、その価値を顧客に伝えなければダメだということを考えていた人だと言われています。

それがよく分るエピソードをご紹介します。
時は1927年、まだ松下電器(パナソニック)が中小企業だった頃に、ある懐中電灯を開発、販売しました。
置いても携帯しても、自転車用としても使える電池式のランプとして、「ナショナルランプ」の名前で売られました。

このランプの発売時、これを松下幸之助は一気に世の中に普及させたいと考えたのですが、
当時の松下電器はどこにでもある中小企業だったので、このせっかくの製品をなかなか世の中に知ってもらうことが出来ません。
すごく良い物なのに、お店に並べてもなかなか良い物だと伝わらない。

そこで松下幸之助は思い切った行動を取ります。
中小企業としては考えられない額の広告宣伝費を投入して、新聞広告を入れたのです。
その新聞広告のコピーも松下幸之助自身が自ら考えたのですが、その時のコピーが

「買って安心、使って徳用、ナショナルランプ」

というコピーです。
これは結構有名なコピーなのですが、これをドーンと新聞広告で出したのです。

このコピーは前述の通り松下幸之助が自ら考えたらしいのですが、三日三晩悩んで作ったらしいです。
しかも、実際の新聞の大きさの紙を用意して、文字をその上に置いてあれこれと知恵を絞ったと言われています。

この新聞広告で、新製品であるナショナルランプの価値が伝わって大ヒットしたとのことです。

それ以来パナソニックは、きちんといいものを作って、なおかつ宣伝にきちんと力を入れていく。知ってもらうっていうことに力を入れる方針で現在に至ります。

ちなみにこれは、とにかく宣伝費をかけて宣伝すれば良いという話ではありません。
松下幸之助氏の名言で、
「伝わらなければ存在しないのと同じだ」
というふうにおっしゃっています。
つまり、どんなに良い商品、良いサービスであっても、顧客層にその価値がきちんと伝わらなければ、それは存在しないのと同じだということです。

商品やサービスの内容やスペックではなく、顧客にその価値を伝えることが大事であり、新聞広告までやらなくても、チラシでもDMでも営業活動でも、伝えることが大事なのです。

ちなみに伝えるのはお客さんが得られる価値であり、商品の性能やスペック、サービスの内容ではないということもポイントです。
このナショナルランプの例で行くと、
・買って安心な商品(品質が良く壊れない、安心して使える)
・使うと徳用な商品(使うとメリットがあり、値段の割にお得である)
となります。
決してランプの明るさなどのスペックではないということです。

2、スティーブ・ジョブズのパフォーマンス

この松下幸之助と同様に、商品の価値を伝えることを重視していたのが、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズです。
彼のエピソードとして、MacBook Airの発表会の場での見せ方が話題になった話があります。

このMacBook Airですが、発売時において当時の他社のノートパソコンと比較にならないぐらい薄くて洒落たデザインであり、しかも高性能で凄く良いものでした。
しかしながら、ジョブズはこれをどうやって伝えるかっていうところに頭を悩ませます。

そして発表会の時、ジョブズはMacBook Airのすばらしさを口頭で説明した後にある行動に出ます。
説明中に小脇に抱えていた茶封筒から、おもむろにMacBook Airをスルリと取り出したのです。
このパフォーマンスは、会場に来ていた報道陣のハートをがっちり掴みました。
会場はどよめき、そして高性能なスペックにとどまらないMacBook Airの魅力、薄さであったりデザインのシャープさであったり、そして所有することのカッコ良さを一気に伝えることに成功したのです。

ここで、スティーブ・ジョブズものちに、に
「いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければ無いのと同じだ」
と語っています。
まさに松下幸之助と同様の考え方です。

つまり、どんなに良い物を作ってもどんなに素晴らしいサービスを提供する体制を作っても、それがお客さんに伝わらなかったら存在しないのと一緒なのです。

3、価値を伝えるということ

良いものを作る、良いサービスを提供することは大事なことです。
しかしながら、良い物を作っておけば、良いサービスを提供さえしておけば、良いものはいつか伝わるのではないか、という考えは甘い幻想だということです。

冒頭の、「一度使ってもらえたら、この良さが分かるのになぁ」とお考えの方にお伝えしたいのは、これは逆に考えたら一度は使ってもらわなければ良さが伝わらないということであり、伝わらないものは使ってもらえないということです。

ちなみにこれは、逆に言えば今の商品、サービスについてそんなに手を入れなくても、伝え方を変えるだけでもっと大きく売れるかもしれないということです。

商品の価値をどうやって伝えるか、果たして自社の商品、サービスの価値は顧客に伝わっているのだろうかという部分をさらに深く考えてみると良いのではないでしょうか。

参照動画:商品の価値は伝えなければ伝わらない

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