先日、小規模事業者持続化補助金(通称:持続化補助金)第8回の公募要領が出ました。
この持続化補助金の第8回からは、コンサルタント等の専門家に申請書作成をサポートしてもらった場合に、そのサポートをしてもらった人の名前と支払った謝金の額を申請書に記載するようになりました。
持続化補助金では今回から記載を要求されるようになったのですが、例えばものづくり補助金や事業再構築補助金といった補助金額が大きいものについては、以前よりこれら専門家の名前と謝金を明示するようになっています。
おそらく、申請書作成をサポートするという名目で法外な謝金を要求するコンサルタントというのが結構存在するので、その予防線を張るというのが目的の一つなのかなと推測します。
ちなみに、実際には私自身も、これらの補助金の申請書作成サポートもしていますし、それに対しての謝金もいただいています。
社長と事業内容をブラッシュアップして、その内容を事業計画書に落とし込む作業ですので、これらの労力に値するような金額であれば、謝金を頂くのも当然だと考えています。
ここで問題なのは、その申請書作成サポートの謝金の相場はどんなものなのか。
そして、補助金は申請書を作成し申請して終わりではないので、その謝金で補助金を申請してもらうまでの過程のどこまでを面倒見てもらえるのかということです。
今回は、これら補助金申請サポートの謝金に関するアレコレをご案内します。
1、補助金申請書作成サポートの謝金相場はいくらくらい?
私自身が請けた場合の謝金と合わせてご説明します。
小規模事業者持続化補助金の場合
私の場合は、まず申請書作成にあたり着手金で5万円、採択された場合には成功報酬として別途5万円と計10万円いただいています。
但しこれは、社長が考えてることをしっかりと聞き取りして、事業計画全体を社長と組み立てて、その後それを申請書という形で文書化するところまで、一通りお手伝いした場合の価格設定です。
申請書自体は社長や従業員の方が仕上げて、それを添削するだけの場合は着手金のみいただいて5万円で実施しています。
周囲の同様のコンサルタントから聞いても同様か、着手金6万円、採択されたら別途6万円で計12万円くらいが相場かと思われます。
事業再構築補助金、ものづくり補助金の場合
まず私がこれらの補助金の申請書サポートを請け負った場合は、着手金で10万円、採択された場合には成功報酬として申請した補助金額の10%を別途いただいております。
つまり、1000万円もらう計画が採択された場合はその10%で100万円を報酬としていただくような形になります。
これも同様に周囲のコンサルタント等の専門家に聞くと、着手金で10万円~15万円、採択された場合には別途補助金額の10%~15%程度、多いのは12%といった設定のようです。
但し、これらの補助金の場合は、事業者としては申請して採択されて終わりではないので注意が必要です。
2、補助金は申請して終わりではない
つまりこの謝金で、申請書作成はもちろんのこと、採択後にどこまで面倒を見てもらえるのかというところの確認が大事です。
上図は、事業再構築補助金の公募要領に記載の事業のスキームを説明する図です。
図の左側が経産省などの事務局側で、右側が事業者側となります。
そして、中央の①から⑨が、それぞれの行う段取りとなり、①の公募要領などを確認するところから⑨の事業の報告まで色々とやらなければならないことがあります。
ここで、申請書作成サポートとしてコンサルタントが受け取る謝金について、どの段階で受け取り、どの項目についてサポートしてくれるのかということを確認しないといけません。
例えば、社長からの事業計画の聞き取り、内容のブラッシュアップから売上等数値計画を立てるところまで検討して、その後それらを申請書として文書化するという、図の②の部分のサポートを行うことに対して謝金が発生するとします。
しかしながら、補助金は申請して終わりではなく、この先もまだまだ続きます。
申請して、審査を通れば③の採択通知が来ますが、採択されてもまだ補助金額は決まりません。
採択された後、事業者は次に④交付申請というのをします。
この交付申請とは、申請の段階よりも細かくすべての計画についての見積書を揃えて、どのような費用が発生するのか細かく申請する必要があります。
そして、④交付申請をすると、事務局がその中身の見積書等々を確認して、かかる費用が見える化されると交付決定通知書という書面が事務局から発行されます。
この交付決定通知書というのが出たら、初めて補助金額が決定するのです。
3、サポートしてくれる範囲を確認しましょう
つまり、前述の補助金額の10%を謝金としていただいてます、というのはこの交付決定通知書が出てきた時に決まった金額に対して10%ということになります。
補助金額の10%の謝金が発生するとするならば、ここまで見ないと補助金額は決まらないということです。
よって、コンサルタント等に申請書作成サポートを依頼するならば、まずは補助金額が決まるまで、つまり交付決定通知書が出るまでは最低限面倒を見てもらえるんですよねということを確認しなければいけない訳です。
あまり無いとは思いますが、③の採択通知が届いたところで申請書に書いて申請した金額の10%を貰って、あとのことは知らんぷりというコンサルタントもいないとは言えないので要注意です。
ただ、大概のコンサルタント等の専門家は交付申請をして交付決定通知書が出て補助金額が確定するまで面倒見てくれると思います。
しかし、そこでまだ終わりではありません。
実際には交付決定通知書が出たら補助事業が始まり、見積書通りに買い物したり、建物の内装工事を行ったりと、補助事業を実施していきます。
ここで、購入予定の物が変更になったり、工事の内容が変わったりと、当初の計画に対し変更が必要になることもあります。
この場合、事務局には変更申請をしなければなりません。
そして、補助事業が無事完了したら、すぐに実績報告をすることになります。
この実績報告書とは、ここまでかかった費用に対し見積書、発注書や領収書、通帳のコピー等々を項目ごとにすべて用意し、これらをまとめて報告するものとなります。
実績報告をして、事務局側で報告書の内容を確認されたのち、⑦補助金の請求を行い⑧補助金が支払われます。
事業者が実際に補助金を受け取れるにはここまでかかるのです。
ここで、申請サポートを依頼するコンサルタントに対しては、どこまで面倒を見てくれるのか確認しましょうという話に戻るのですが、ちなみに私の場合は申請書作成サポートとして依頼を請けた場合は、この実績報告をするところまでサポートします。
また、謝金を受け取るのは⑤補助事業実施期間の頭の交付決定通知書が出て補助金額が確定した時点です。
コンサルタントによっては、交付決定通知書が出るところまででサポート終了で途中の変更申請や実績報告はサポートしないという人もいるかもしれません。
つまり、どの段階まで面倒見てくれるのか確認しましょうというのは、このように補助金を貰うには幾重にも段階があり、補助金を貰えるのは⑧の最後のところなので、そこに近いところまでサポートしてもらえるのか確認しておかなければいけないということです。
途中で書類の不備などあると、事業者は補助金を貰うことが出来ないこともあるので、そのようなことが無いように、コンサルタントの手を借りるならば、出来るだけ最後までサポートしてもらえるように取り決めしておきましょう。
4、補助金を貰ってもまだ終わらない
ものづくり補助金や事業再構築補助金などの、補助金額の大きい補助金に限るのですが、補助事業実施後に毎年報告書を書かないといけないのです。
それが先ほどの事業のスキーム図の⑨事業化状況報告になります。
事業計画書の中では毎年どのように事業が伸びていって、売上はどのように上がっていくか、付加価値額はどのように増えるかなど、計画を記載して申請をしますが、今度は事業実施後に実際はどうだったのかという報告書を年1回、5年間毎年提出する必要があります。
ちなみに私の場合は、補助金額の10%をいただくサポートは、実績報告書を出すまでとしています。
そこから先の毎年の報告書は、事業者がご自身でやられるということもありますし、ここも手伝ってほしいとご依頼いただけば、その手伝う内容やボリュームに応じて別途謝金の方はご相談させていただいています。
サポートを依頼するコンサルタントに対しては、この毎年提出する報告書についても、どのような対応をしてもらえるのかを事前に確認しておくようにしましょう。
補助金申請をサポートしてくれるコンサルタント等の専門家は、うまく活用すれば補助金を獲得できる近道にはなります。
コンサルタントのサポートも、値段も様々ですし、サポートをしてもらえる範囲も業者により様々です。
費用がいくらであっても、それに値する価値を提供してもらえれば、高かろうが安かろうが事業者が納得できればいくらでも問題ないと考えますが、どこまでサポートしてもらえるのかは事前に確認し、トラブルにならない様にしましょう。
上記の通り、当方でも補助金申請について申請書作成やその後のフォロー等のサポートをしています。
相談初回2時間無料でお話を伺いますので、ご不明な点やご相談がございましたら当方のWebサイトお問い合わせページよりお問い合わせください。