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取引金融機関が日本政策金融公庫だけという事業者さんに知っておいてもらいたいこと

取引金融機関が日本政策金融公庫だけという事業者さんに知っておいてもらいたいこと

こんにちは。
売上UP・利益UP請負人
社外の経営参謀
トップギヤコンサルティングの沼尻洋壱です。

先日話をした事業者さんで、今まで取引した金融機関が日本政策金融公庫だけだ、という方がいました。
その会社は比較的創業間もない会社で、創業時に公庫の創業融資を利用して資金を用意しました。

現在もこのコロナ禍でも大きな影響を受けることなく経営出来ており、今すぐ何か融資が必要ということもありません。

では、取引のある金融機関はこのまま公庫だけで良いのでしょうか?

1.取引金融機関は日本政策金融公庫だけでいい?

日本政策金融公庫は、創業者にとってたいへん借りやすい金融機関です。
創業融資の95%は、日本政策金融公庫が取り扱っていると言われています。

創業融資を借りた事業主が「次に」資金が必要になったとき、なじみのある公庫にまっさきに申し込みます。
売上や収益が順調に伸びていれば公庫も積極的に「追加融資」を行いますし、そうでなくても半分ほど返済していれば「折り返し」の追加融資に応じてもらいやすいものです。

つまり中小企業の多くは、日本政策金融公庫とおつきあいをしていれば事足りと言えるかもしれません。

しかし、そこには落とし穴があります。
つまり、日本政策金融公庫が追加融資を行うのは、
「売上や収益が順調に伸びている」「半分ほど返済している」といった、大きな問題のない企業に対してだ、ということです。

では、そうでないケースはどうなるでしょう?
追加融資を公庫に頼れるでしょうか?

2.もし公庫が追加融資に応じてくれなかったら?

創業後、計画通りに事業が進んでいないために売上や収益が上がらず、最初に準備していた自己資金や創業融資で借りた資金が枯渇した場合、あるいは、まだ半分程度返済をしていなければ、たいてい公庫は追加融資には応じてくれません。

また新型コロナウイルスの影響で、2020年3月~8月には公庫に対して融資申請(新型コロナウイルス感染症特別貸付)が殺到しました。
同年6月などは、なんと前年対比9倍近くの申請件数があったのです。

対処する人員数は変わりませんから、処理能力の問題で必然的に申込みから実行までの期間は長引きます。
申込みから実行まで、3ヶ月以上もかかった時期もありました。

しかし3ヶ月分の運転資金を普段から確保している中小企業は少なく、多くは資金繰りに追い詰められていました。

そんなとき頼れるのが民間金融機関です。

ところが・・・。

3.いきなり民間金融機関に行っても、ほとんど相手にしてもらえない

売上や利益が予定通り増えず、日本政策金融公庫から借りた創業資金を半分も返していないうちに資金が枯渇した場合、そして公庫に融資申請が殺到して申込みから実行まで長い時間がかかる場合には、公庫はあてになりません。
そうなると資金調達できる先は公庫ではなく「民間金融機関」です。

しかしながら、今回のコロナ融資は例外ですが一般的に資金繰りに困った中小企業の経営者がいきなり民間金融機関に融資を申し込みに行っても、ほとんど相手にしてもらえません。
なぜなら「資金繰りに詰まり、融資を急いでいる中小企業」=「貸し倒れリスクの高い中小企業」と考えるからです。

長くおつきあいがあり事情をよくわかっていて、良い関係性を構築できている中小企業ならば、資金繰りに詰まって融資を急いでいる状況でも、何とか手を尽くそうとするでしょう。

しかし初めて取引する中小企業だと、会社のことも経営者のこともわかっていないため、新規融資に二の足を踏みます。
付き合いが無ければ、貸し倒れになるかもしれないリスクを抱えてまで貸さなければいけない理由がないからです。

4.創業融資を借りるとき、民間金融機関からも借りておく

よって、いざという時のために、創業時から公庫だけではなく民間金融機関と取引しておくことが、中小企業のリスクヘッジ(リスクマネージメント)になります。

民間金融機関、とくにメガバンクではなく地域密着型金融機関と呼ばれる信用金庫・信用組合・第二地銀などは、取引期間の長い中小企業には親身になって相談にのってくれます。
公庫が断った案件でも、懇意にしている地域密着型金融機関なら対応してくれることが少なくありません。

公庫に融資が断られるような事態になることも踏まえて、民間金融機関とも付き合っておく必要があるということです。
創業時であれば、創業融資に積極的な民間金融機関なら、公庫の創業融資を借りることができた創業者に対し少額であれば創業融資を貸してくれます。
創業まもなくでなくとも、民間金融機関と取引が無い事業者は、まずは取引を始めましょう。

少額の融資取引から地道に関係性を構築していけば、いざ公庫から追加融資が受けられず資金繰りに困ったとき貸してもらえるようになります。


創業間もなく、公庫としか取引が無い事業者は、余裕のあるうちに民間金融機関と取引を始めましょう。
いきなり大きな金額は難しいですが、逆に少額で良いのでまずは付き合いを始めておくことが大事です。
民間金融機関と関係性を築いておけば、いざというときに頼りになります。


当方では金融機関との上手い付き合い方のアドバイスや、資金調達のサポートもしています。ご不明な点やご相談がございましたらお問い合わせページよりお問い合わせください。

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